第3章 これを恋と呼ぶのなら3(おそ松)
「俺、そのっ…簡単には変われないかもしれないけど、努力するから…ゆいちゃんと一緒にいたい。だめかな?」
涙が溢れてくる…
「…だめじゃないに決まってるじゃん…嬉しい…」
泣き笑いで答える…
「良かったぁ。だめだったらどうしようかと思った…」
そんなことを言うおそ松くん。私の肩を抱き寄せて、背中をさすってくれる。
「そんなに泣かないでよ〜」
困ったような笑顔で私の顔を覗きこむ。
ちゅっ
唇を合わせるだけのキスをする。
「へへっ… いただいちゃった」
鼻の下を擦りながら笑う。
彼の唇は風のにおいがした…
「…んでさ、エロいこともしていい?」
とたんに彼の瞳に熱が籠り、背中をさする手つきもなんとなくいやらしくなる…
きっと私はこんなふうにこれからも彼に流されてしまうのだろう…
でも、それでもいいと思った。
少しでも、おそ松くんに近づけたから。
「…おそ松くん、前から思ってたけど、童貞じゃないでしょ?」
「…は? いやいや、童貞に決まってるしっ…」
「見てたら分かるよ、童貞じゃないこと」
私は立ち上がり、私の部屋の方向へ向かって歩き出す。
おそ松くんもあわてて立ち上がり、私の隣へと歩調を合わせる。
部屋に着く前に夕食の材料を買って帰ろうかな。ご飯を作って食べたらお風呂に入って、彼とベッドを共にするのだろう。
「…女の子ってなんかすげぇな…かなわないわ…」
おそ松くんが呟くのが聞こえた。
〜END〜