第8章 ~ネコ達、恋に大騒ぎ。~
『名は体を表す…っていいますけど、
獅子と虎は、やっぱり肉食なんですね(笑)』
二人の後ろ姿を見ながら、ニッコリ笑う芝山君。
『どっちも狩りがヘタすぎて、
飢え死にか共食いしそうだけどね。』
どこまでも冷静な、研磨君。
『オレはっ、音駒に来たからには
やっぱりまずは恋よりバレーを頑張りたいので!
孤爪先輩、よろしくお願いしますっ!』
従順な飼い犬のような、犬岡君。
『バレー部の下心、バレバレー。』
相変わらず、我が道を行く、福永君。
『おい、クロ、
いつまで女子サービスしてんだよ!
早く練習始めるぞっ!』
どこまでも真面目で真っ直ぐな夜久君と、
『あれあれ夜っ久ん、
彼女にイイトコ、見せたいのかなぁ?
ぁ、こっそりマネージャーとつきあってんの、
みんなにはナイショだっけ?』
相手の弱点を楽しそうに突く黒尾君を、
『おい、そろそろ監督、来るんじゃないか?
練習してたフリだけでも、しとこうぜ。』
うまいことまとめておさめる海君。
…広い広い東京の空の下。
青春真っ只中の猫たちは、
今日も、
バレーボールと恋に、
大騒ぎです。