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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第1章 ~二番目の、恋~ (及川 徹)



…言葉の一つ一つが
あまりにも木兎らしくて、
俺は、感心して聞いていた。

話してくれる綾ちゃんも、
ちっとも悲しそうではなくて、
むしろ、
思い出し笑いまでしながら。

『でね、
その頃からはもう、私も覚悟を決めて。』

二人の気持ちが
"一旦、別れる"ことで揃ってから…

『光太郎君、さっき私に
"目標叶えて、まだ自分が必要だったら
俺を捕まえに来い。"って言ったよね?』

『おう、言った言った。』

『でもそれ、逆でもいいんだからね。
目標叶えて女医になった私のこと、
光太郎君がまだ忘れられなかったら、
私にもう一回、告白していいよ。
…ヒマだったら、つきあってあげる。』

今度は、木兎が大笑いをして。

『そーだよっ!そん時はまた、
居酒屋デートから誘わせてくれよ。』

…まるで今から付き合い始めるみたいに
楽しそうに、嬉しそうに笑って。

『綾、頑張ろうぜ。
今、人生の中でも大事な時期だ。
綾だけじゃない。俺もオイカワも。』

『…うん。』

『うまくいくことだけ考えろ。』

『…うん。』

『大丈夫。疲れたり迷ったりしたら
ネットで"木兎光太郎"って検索しな。
そしたら、俺の活躍が目に入るから。
負けてらんねー、って思えるはず。』

『…自信、たっぷりだね(笑)』

『当たり前じゃん。
いっちばん高いところで
いっちばん眩しく光って
みんなを引っ張ってくのが
俺の役目だって思ってっから。

だから、俺は、負けねー。
俺の彼女だった、って
いつでも自慢していいぜ!』

…やっぱり、木兎は、太陽だ。

別れ話をしながらでも、
相手に、光…"未来"や"希望"を
見せてあげられる。

本気で相手のこの先のことまで
考えているから、だろう。

木兎が輝くことで、
別れてからも、彼女達はみんな
木兎の彼女だったことを誇りに思うし
木兎のことを応援したくなる。

…光の恵みを受けた人みんなが、
その分、太陽を輝かせてるんだな…

そして
綾ちゃんの話は、
二人の終わりの場面へと続いた。

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