第16章 謎の女性
「ん、これ気に入りますわ。あの子」
選んだ商品を持って再びレジに向かった。
さっき貰ったネックレスは大事に鞄の中にしまっておいて…
『よかったです。
喜んでくれるといいですね!』
「ええ、もうそれはもう…ふふ」
『あ、翔くん仕事…終わりましたかね?』
店にある時計を見て今日は収録は1本だけだったことに気づいて二宮さんにそう聞く。
「あーかもですね
電話してみたら、どうです?」
『え、あ、はい』
そう言われて鞄から携帯を出して、
翔くんに電話をしてみる。
LRRRRRR.....
横では二宮さんがまたプレゼント用で商品を包んでもらってる。
〈あ、もしもし?〉
『あ、翔くん。仕事は終わったの?』
やっと朝以来聞けた愛しい声
〈え、あ、うん〉
『そっか…おつかれさま』
〈どうも、どうも。ちゃんは?〉
『え、あ、うーんと…うん』
〈ははっ、なに、それ(笑)〉
いや、さすがに二宮さんといるとは…
「ん?翔さん?」
その時レジでラッピング待ちをしてる二宮さんが変なことを言い出した。
翔くん?
「ちゃん?」
〈ちゃん?〉
機械的な電話からの翔くんの声と、
目の前にいる翔くんそのものの声
「翔?」
ねぇ、翔くん
もしかして、その人が"仁美さん"?