第16章 謎の女性
『ん~どんなのがいいですかね』
「っつーか楽しんでるでしょ完全に」
『あ、バレました…?(笑)』
「はい」
二宮さんの彼女さんのことを考えてるんだけど、いつの間にか自分が欲しいものを選んじゃったりしてて(笑)
『だけど、いいなぁ』
「ん?なにがよ」
『いや…こうやって真剣に選んでくれるって
それだけでも、すごく嬉しいですよ』
「…あら、そう?
翔ちゃんの方がもっと選びますよ」
うん。想像はつく(笑)
なんか何日もかけて考えてくれそう…
そんなこと考えてたら会いたくなる。
朝以来会ってないからなぁ……。
「さん、それ欲しいの?」
『え?あ、いや、えっと…』
二宮さんが指したのは私が今手に持ってる小さな鳥がついてるネックレスだった。
「ん、ちょーだい」
『はい?』
「ほら」
『は、はい』
静かに二宮さんの手のひらにそれを置くと二宮さんはスタスタとレジへ向かってしまった。
『え、ちょっ…「シー…バレちゃうから」
なんて言いながらお会計をしてて、
「それ、プレゼント用で」
〈かしこまりました~〉
『え、なんで…』
「今日付き合ってくれたご褒美ですよ」
やっぱり二宮さんには敵わない…。