第2章 運命の巡り合わせとは、
『し、椎名さん!!?』
「……はぁ……あり、がとう」
力の限り言ったのはその言葉だった。
"ありがとう"だなんて私には贅沢なのに
「あなたが……続けさせてくれたから…
私……っ……はぁ……後悔はないわ」
『椎名さん…』
ガチャっ
〈遅れて申し訳ありません。
椎名のマネージャーです。椎名は…〉
入ってきたのは一人の男性だった。
きっと急いで着たんだろうな、汗だく…
「もう……遅いわよ……はぁ」
〈ごめん、ごめん
ほら、病院行きますよ?〉
「じゃあね、…ちゃん」
帰り際にそう私を呼んだ椎名さん
ガチャっ
「顔が緩んでんぞ、~」
なんて、えみさんが笑いながら言う
うん。緩んでます。