第1章 運命の出会いとは、
あのとき、止めていれば…
テレビ局内を走りながらそう考える
椎名さんは倒れなかったかもしれない。
局内を出る頃になっても、雨は降っていて
『どうしよう…』
傘のことなんて考えずに走ってた。
というわけで、こういうことになったけど
これはもう……走りきるしか!
『……えっ?』
なんて考えて一歩踏み出そうとしたら、
誰かの手に自分の腕を握られた。
「あの、傘…使って?」
そう言って笑うのはキャップをしてる男性
でも確実に彼はあの方です。
キャスターであり、あのグループのアイドル
『櫻井…さん…?』