第1章 運命の出会いとは、
その後もセリフは完璧の椎名さん
でも、度々悪くなっていく顔色
「なんか、椎名さん辛そうじゃない?」
隣にいた、えみさんまでもが気づいたとき事件は起こった。
バタンッ
〈椎名さんっ!!?〉
恋人役の俳優さんがそう叫んだ。
椎名さんが倒れてしまったから、
〈椎名さんっ!ちょっと誰か救急車!〉
〈いや、騒ぎになったら大変だ!〉
〈でも、彼女もちませんよ〉
そう言って監督もキャストも慌ててるとき、
私は思いきって声をあげた。
『監督、とりあえず
医務室に運びましょう!』
〈医務室……そうだな!そうしよう!〉
それを合図にスタッフは全面的に動き出し、
皆が慌てず行動した。
「ちゃん、お手柄じゃん」
『え、あ…いや。
それより、ちょっと出てきます!』