第8章 桜舞うなかの温度
櫻井さんの腕に包まれてて、
心臓が止まりそうになる。
櫻井さんに聞こえないように、願う
「じゃあ今の俺の気持ちも分かる?」
『え?櫻井さんの…今の…気持ちですか?』
「…うん、わかりやすいんでしょ?」
櫻井さんの声は切ない泣きそうな声で、
いつのまにか彼の背中に手を回してた。
「……好きなんだ」
スキ…?櫻井さんが…好きって…何を?
「ちゃんが、好きなんだ」
私を
好き?
「…………ごめん、急すぎたよね
あ"~……ロマンチックも何もないよね?
って……ちゃん?固まってる…?」
『え、あ、いや、えっと…その…』
「ごめん…忘れて忘れて」
なんて言いながらまた私の前を歩く
その後ろを咄嗟に走って行って、
櫻井さんのジャケットの裾を掴んだ。
「え?」
『その…忘れるなんてしませんから…』
「それって…期待して、いいの?」
『……』
「ははっ(笑)うん、わかった。
じゃあ…その…帰ろっか?」
『は、はい』