第3章 奇跡とは、-翔side-
「つーか翔ちゃん大丈夫だった?」
「え?なにが?」
相葉くんと楽屋に戻る途中、
こっちを振り向いて、そう訪ねる相葉くん
「翔ちゃんのマネージャーが言ってたよ?
昨日、ずぶ濡れで車に乗り込んだって」
「あ、それね。うん、大丈夫だよ」
「にしても昨日、傘持ってたのにさ?」
そうそう、あの透明のビニール傘ね。
今はどこに行ったんだろ…
もう半泣きなあの子の顔見たら言ったよね
"これ使って?"なんてさ、
でも何かしてあげたくて、止めれなかった
「翔ちゃん、なんかあったでしょ?」
「はっ!!?」
「ヒャハハッ…わっかりやす~」
なんて言いながら楽屋のドアを開けて、
先に入って行く相葉くん
やべっ…バレたかな?
ちょっと顔が熱くなったこと、
「ちょっ…相葉くん、さっきの…え?」
『おはようございます、櫻井さん』
これは"奇跡"ってやつ?