第2章 荒野に芽吹いた花の名は【秀吉】
「これからは…俺を兄だと思って頼れよ?」
ドキドキ高鳴る心臓に気づかない振りをして、
美蘭には説明できないようなことをした自分だが、最初からやりなおしたい気持ちで、
秀吉はそう言った。
「はい!ありがとうございます!」
「敬語はいらねェぞ。」
「はい…!、あ…うん!」
信長様のお気に入り。
信長様の大切なモノであれば、この俺にとっも大切なモノとなる。
信長様のためにも、
俺はこの娘の笑顔を守ると誓った。
やたらと騒ぐ胸には見て見ぬ振りをして
兄として側にいる意志を固めた秀吉であった。