第6章 思い出と共に
日は過ぎる
妖館から皆、実家へ戻るという話をする人たちが増えていた
「そういえば」
「ん?」
ポリポリと金平糖を食べながら
視線で方向を私は示す
「日和、なんだか大掃除終わってから不機嫌だね」
「あー、この時期いつもそうだろ?」
「そだっけ?」
「何年の付き合いだよ……」
何年と言われても、中学二年からだからな……
しかも同じ場所で暮らすようになったのも最近の話だし
あ、もしかして
苓と喧嘩したとか?
それならまだわかる
あの二人が仲悪いのは珍しいことじゃない
苓の過保護にイラっとしたのかもしれない
そう考えて一人で納得してると
頭に容赦のないチョップが降り注ぐ
「いった!?」
「誰が、誰と喧嘩したって?あ?」
「こわっ!なに、なんなの!?主人の機嫌が悪いとSSの機嫌まで悪いの!?精神リンクかなんか!?」
「まず口に出す哀兎が悪いだろ……普通に」
出したつもりはない
つもりはないんだ
ほら、ついってあるじゃん?
「はぁ……今日も君たちは騒がしいな」
「凜々蝶!」
「ちゃんと掃除は終わらせたのか?前に青眞君の部屋に邪魔したとき、参考書が散らかってたぞ」
「うわぁ……」
「片付けたわ!そんな目で見んな!」
「本当は反ノ塚みたいに卑猥な本を隠してたんじゃ……」
「な!君もなのか!?」
「断じて違う!てか、もってなんだよ!もって!」
あぁ、そっか
凜々蝶は反ノ塚の部屋の掃除手伝ったんだ
それはそれは可哀想に……
あんな男臭い部屋を
頭を擦りながら苦笑いをすると
バン!と大きな音がラウンジに響き渡った