第4章 住人たちの帰還
「日和!」
「猫実さん!」
「哀兎たち…………」
私たちの目の前から突然姿を消した蜻蛉は
反対側の日和を襲っていた
間一髪のところで青眞が避けさせ
苓が刀を受け止めたようだった
何て野郎だ蜻蛉……
凜々蝶と違って日和は戦闘向きではないのに……
すっかり状況がわからなくなってる日和は後ろの青眞に支えられるように座り込み
目を見開いてる
その目の前では抜刀はしてないと言えど首もとに刀を突きつけるSSの姿
蜻蛉、命は大事にした方がいいと思うな、私
「蜻蛉!苓君になにしてる!」
「間違えないでほしい許嫁殿!今ピンチなのはこの私だ!!」
「そのままくたばってしまえ」
「凜々蝶様、ご命とあらばいつでも僕は苓さんに力を貸しますよ」
「いらん」
そのやり取りを見てはっとしたように日和はやっとちゃんとした声を出した
「苓、大丈夫だから……蜻蛉離してやって」
「………………」
素直に言うことを聞いた彼は
変化を解いて退いて
青眞よりも後ろに下がった
「ふぅ、久々に手酷い歓迎を受けた」
「もとはといえば自分のせいだと思うんだけど……ねぇ、凜々蝶」
「全くだ。御狐神くんにも襲いかかりおって……」
「あっさりと受け止められたがな!!」
「懲りないな……」
そのあともさんざん暴れた蜻蛉は
うるさい住人の帰りも、同時に告げていた