第3章 懇親会の夜に
ーーー♪
「………………ふぁ……」
耳元でうるさく鳴るアラームを止め
アクビをひとつ
あぁ……始まってしまったか
学校
終わってしまった春休みはさようなら
またすぐ夏休みが来てくれることを祈ってるよ
無駄だと思いつつもそんなことを願い
体を起こす
えーと……確か準備と言う準備もなかったし
宿題を提出するだけ……と
「……着替えるか」
流石に学校の日に朝御飯なしはキツい
大きく伸びをした私は
クローゼットから本業である制服を身に纏った
・
・
・
「そういえば……」
「ん?」
ラウンジで凜々蝶と御狐神さんのひと悶着を眺めたあと
朝御飯を食べながらひとつ思い出す
「哀兎、今日が始業式だって知ってるっけ」
「流石に知ってるんじゃないの?青眞がいるし」
「テストの日すらも間違えたことあるのに?」
「……大丈夫なんじゃね?」
「うわ、見捨てたー……」
自慢と言うわけでもないのだが
私と苓は目覚ましの音で起きるタイプなので
あまり寝坊というものはしない
アラームをかけ忘れた、または、アラームが機能しなかった場合を除いて
逆に哀兎はアラーム音で起きたら良い方というレベル
青眞が起こしに行くというSS逆転の展開はざらなのだ
まだ行事もので寝坊は見たことがないけれど
いつやらかしてくれるかわからない
三年生なのだから……そろそろ頑張ろうよ
誕生日の離れ具合的にも、私よりお姉さんでしょう
同学年なのに同い年の期間短いんだから……
等と考えていると
野ばらさんたちの会話が聞こえてくる