第1章 ここは妖館
ここはメゾン・ド・章樫
「あ、苓も挨拶した?」
「とっくの前にしたよ。初日ぐらいに」
「は?ずるっ!」
ここは高級セレブマンションではない
「まぁまぁ、良いじゃねぇか」
「日和も今日挨拶できたんだし」
「遅いか、早いか、だよ……?」
「インドアもほどほどにした方がいいと思うけど」
様々な妖怪たちが
様々な事情を抱え
様々に人生を歩む場所
それを知ってか知らずか
その雰囲気からか
近所ではこう噂されていた
あやかし館
実はそれは、本当だったり……
そこにまた、新しい人たちが加わった