第2章 カフェの常連さんはミステリアス美少女
お昼のピークをすぎ、比較的カフェのお客様が少なくなってきたある日の午後のこと。明るいベルの音が誰かが来店したことを告げた。
ルナ『いらっしゃいませ』
ドロップ『こんにちは、マスター。いつものお願いします』
ルナ『はい、ただいまお持ちしますね』
この子はドロップちゃん。Minetteの常連さんで歳は17。毎週2日ほど学校帰りに寄ってくれる。
あまり表情が動かなくていつもポーカーフェイス。クールで冷たい印象を受けるけれど…話せばわかるわ、人見知りなだけで内面は明るく真面目でとても良い子ね。店に馴染んできた近頃は私にも色んな表情を見せてくれるようになって嬉しいかぎりだわ。
ルナ『お待たせしました、いつもの特製サンドウィッチです』
ドロップ『!はやいですねびっくりしました』
ルナ『今日はこの時間に来るだろうってどこかの探偵さんが推理してたから作っておいたのよ』
そう言ってウィンクするとドロップちゃんはありがとうございますと言った後、少しふてくされた顔で
ドロップ『……でも私やっぱりあの人苦手です。今度会ったらまたお説教ですね』
毎回私のこと推理しないでって言ってるのに…とドロップちゃんが溜息をこぼす。
エルロックならそろそろドロップちゃんが来るだろうからと先程逃げたばかりだけど言わないほうが良さそうだ。
どうやらポーカーフェイス故に感情を読まれ慣れてないドロップちゃんは感情を推理してしまうエルロックが少し苦手らしい…。