第2章 カフェの常連さんはミステリアス美少女
そして私が甘美なるSを美味しく頂いて少しお嬢さんと他愛のない話をした後
「……そろそろでしょうか。」
『あら、この後何か予定でもあるの?』
「いえ、僕の推理だともうすぐドロップ嬢が来る頃ですので僕は帰ろうかと。」
『また何か彼女に怒られるようなことをしたのね…。次回来た時はしっかりツケを払ってもらうわよ?』
やれやれと呆れた顔をするお嬢さんも素敵だなと思いつつ僕は店を後にしました。
しかし
暫くして僕は気づいたのです。甘美なるSのあまりの美味しさに、雑誌を置いてくることをすっかり忘れていたんです。
僕としたことが、あぁ嘆かわしい…。
そして僕がMinetteに戻ると既にドロップ嬢が店内へ入ったあとでした。すぐに入ろうか迷いましたが、僕は何となくテラス席の側で聞き耳をたてることにしました。勿論周りに怪しまれないように雑誌を読んでいるフリをしていました。
『お待たせしました、いつもの特製サンドウィッチです』
ドロップ嬢『はやいですねびっくりしました』
『今日はこの時間に来るだろうってどこかの探偵さんが推理してたから作っておいたのよ』
ドロップ嬢は今日もサンドイッチですか、余程好きなんですね。それからいつも言ってる通り僕は名探偵ですよ、お嬢さん。
ドロップ嬢『ありがとうございます。……でもあの人また私のこと推理したんですね、今度会ったらお説教しないと。何度も推理しないでって言ってるのに…』
声からしてどうやらドロップ嬢は僕に複雑な気持ちを抱いているようですね。敵意、ライバル意識、尊敬、友情…?
おっと……ついまた推理してしまいました。
ドロップ嬢に嫌われるのは僕としても本意ではありませんので、ドロップ嬢への推理は少し控えたほうが良さそうですね。
話があまり進んでいない……?
では残りの話は少し駆け足で参りましょうか。