第2章 カフェの常連さんはミステリアス美少女
〈カランコロン〉(来店ベルの音)
『いらっしゃ……あら、エルロック。今日こそツケを清算しに来たの?』
「まさか。今日も甘美なるSをお願いしますね」
お嬢さんのツケ清算しなさい攻撃を笑顔でさらりと交わした僕は、甘美なるSを待つ間カウンター席でジャポネの超難問クイズ雑誌の星占い推理コーナーを解いていました。
勿論ドロップ嬢が今日この後来ることを見越して解いていたのです。名探偵の僕には朝飯前ですからね。ちなみに何故彼女がジャポネの雑誌を買っているかというと、以前日本に留学した際にたまたま書店で見かけて一目惚れしたそうで、それから定期購読しているそうです。
え、僕がその雑誌を買っている理由ですか?彼女にオススメされて、付録がとても気になったのでネットでぽちっと。いや、最近の世の中は便利ですね。その付録のホームズ風お洒落帽子は中々気に入っていますよ。
……と、話が逸れてしまいましたね。
『お待たせ。はい、いつものスコーンよ』
僕がちゃちゃっとクイズを解き終えると、推理通り丁度お嬢さんが甘美なるSを持って来てくれました。ツケがあると言うのに、何だかんだお嬢さんは優しいですよね。
あ、お嬢さんのツッコミは聞きませんよ?話がそのぶん長くなってしまいますからね。