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非日常パラダイス【殺せんせーQ!】

第2章 Q1、封印の洞窟





だぁん!!



思いっきり叩かれたことで、勢いよく壁に飛ばされたちゃんは

壁を背に、尻餅をついた。


それにカルマ君は、そっとちゃんの前に立った。



カルマ「…

どれだけ怒っても帰ってこないって、わかってるよね?


そんなに辛いんだったら、頼ればいいじゃん」

「!…え?」


カルマ「俺も皆も
さっき宝石から映し出された映像で、の過去や想いも全部見たよ。

一族の皆と笑い合っていたのも
その一族のおかげで、同じ人がいるおかげで、独りを感じなくて済んでいたのも、ちゃんと知ってる。


どれだけ迫害されても耐えてこれたのは、皆のおかげだったんだよね?
傷が光速で治るから、跡に残らないからって、ひどい目に遭わされ続けても…

それでも笑ってられたのは、同じ経験をした理解者がいたからだ。


だからその怒りもわかるよ。理不尽なことをされて、殺したいぐらい憎んでることも。
そうでなきゃ、あれほどの殺気なんて出せるわけない。

たまりにたまった怒りが爆発するのも、よく解るよ」


しゃがんで目線を合わせながらカルマ君は言った。

そして、先程叩いた頬をそっと撫でた。



「じわっ)…っ」

その言葉に、温もりに、ちゃんは俯いた。

哀しさがより身近に感じたからか


その目には、涙が滲んでいた。



カルマ「でもさ…
それで殺したら、一族が人を殺したことも傷付けたこともないって歴史も変わってしまう。

は、それを自分一人で変えてもいいの?」

「ううん…

一族の皆は、ちゃんと解ってた。
そうされるのが痛いってことも、何より辛いんだってことも;

だから必死に押さえてた。
怒りも憎しみも恨みも…全部、頑張って戦ってたんだ;;


なのに、必死に傷付けないように頑張ってきたのに;;
勝手に決めつけられて、殺されて;;

それが…たまらなく、いやだったんだ;;」


ぼろぼろと涙を零しながら言う言葉に…

気付けば周囲の皆は涙を流した。



よく、わかっていた。


そうされる痛みも
見下されたり嫌な目に遭いながらも抵抗を赦されない環境での辛さも

それでもなお…頑張ってきた。



なのに、それを認めてくれない苦しさも……


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