第8章 ほしあい〜佐助〜
「どうされましたか?謙信様」
佐助は、同時に身支度の手を止めて隠す。
「剣の相手をしろ。」
「幸村が、したそうにしていましたよ。」
佐助は、咄嵯に言った。
「ほう、そうか。」
謙信は、嵐のように急にやって来てすぐ帰った。
(もうそろそろか?)
佐助は、外を見た。
外には、これ以上美しいものがないほどの月があった。
佐助は、音なく春日城を出た。
今日の昼に小梅に頼んでおいた馬が、ちゃんと森のところにいた。
(ヨシヨシ)
佐助は、馬を一度撫でると、馬に乗る。
そして、約束の場所に走らせた。