第2章 部活前
及「うんうん、バレー出来ないの辛いね」
と頭を優しく撫でる。泣きすぎて言葉がうまく話せなくなりこくこくと頷き及川の胸当たりの服をギュっと掴んだ。
しおんが少し落ち着きを取り戻し呼吸が整ってくるとバタバタバタと階段を駆け上がってくる音が聞こえる。しおんは及川の顔を見つめ
『ありがと…とーる』
と涙目で笑い乍言うと
岩「及川!しおん!いつまで寝てんだ」
と扉が壊れそうな勢いで開け中の及川としおんを見驚いた様に目を見開き「じゃました」とパタリと扉を閉じる。
『ちょ、待って!はじめ違うから!!』
及「岩ちゃん!?違うよ!?」
及川の腕の中から飛び降り扉を思いっきり開け岩泉の腕を掴む
岩「今日は午後練だからいいけど程々にしろよ」
『違うから!!私がちょっと嫌な夢見てそれで徹が慰めてくれただけだから!!』
及「そーだよー岩ちゃん及川さんは皆の物だよ」
しおんは焦った様に岩泉へ説明し岩泉も説明は慌てて分かりづらいものだったが幼馴染の勘とやらで話を理解しあぁと頷く。そしてまだ目に溜まっている涙をジャージの袖で拭い頭をわしゃわしゃと雑に撫でる
及「ちょっと及川さん無視!?」
『だって徹さっきからなんかムカつくこと言ってるし』
岩「及川うるせぇ」
及「しおんも岩ちゃんも酷いッ!!いいよ及川さん泣いちゃうから!!」
と泣き真似をするとしおんがふふっと笑いだす。それを見て及川と岩泉は安心したような表情を浮かべる。
岩「ほら、早く着替えてこい」
と部屋へしおんを入れ部屋の外へ男2人はでる。