第25章 はぐれた心の先に…後日談
朝日が差し込んだ部屋で、俺はいつもと違うぬくもりを感じ、目を覚ます。
(……もう、朝か)
身体にほどよい重みを感じ、うっすらとした意識の中、胸の中で寝息を立てスヤスヤ眠るひまりを見て、起こさないようにそっと引き寄せる。
(……かわい。別人みたいだ)
愛らしい寝顔のひまり。
褥の上で乱れるひまり。
こうして見ると、昨夜のあのひまりは、夢だったのかと思えるぐらい別人だ。
淫らで、綺麗で、艶っぽくて……
「……い、え……やす」
潤んだ瞳で頬を上気させ、俺の愛撫を乱れながら一生懸命応えるひまりの姿が蘇り、一気に欲望が目覚める。
(っ、朝から何考えて……)
思わず身体を離すと、ひまりの瞼がゆっくりと開く。
「んっ………も、うあさ?」
「……まだ、寝てていいよ」
じゃないと、俺が困る。
そんな俺の胸の内なんか知らないひまりは、顔を俺にすり寄せると
「おはよう、家康」
ふにゃと、笑った。
「……っ///おはよ」
「何してたの?」
まさか、昨夜の事を思い出してたとは言えず、あえてひまりを苛めてみる。
「……寝込み襲おうか悩んでた」
「えっ……///」
予想通りの反応をするひまりが、可愛くてもっと苛めたくなる。
「ひまり、隙ありすぎ。だから、あの時も……っ」
そこまで言いかけて、俺は慌てて口を覆う。
「あの時もって……えっ??何のこと?いつの話!?」
しまった、と思った時には遅かった。
「……忘れた」
目線を横に逸らしながらそう言うと、ひまりは、絶対嘘ついてるっ!と言いながら頬を膨らます。
「家康のケチっ」
「ひまりの駄々っ子」
「家康の天邪鬼」
「ひまりの鈍感」
身体はピッタリと合わせたまま、言い合いをする。そして二人同時に吹き出し、笑い合い、じゃれ合う。
「ふふっ……幸せだねっ」
一度手にしたひまりは、こんなにも可愛くて甘やかしたくなる。
結局、どんなひまりでも俺を虜にするのは変わらない。
「ひまり……」
「ん??」
ひまりの柔らかい髪を、そっと撫で……