第167章 はじまりの物語
「不純な動機で勧誘した先輩は、どうなんですか?」
「俺は特別。織田先生に忠臣を誓った信頼ある生徒だから、お咎めはない」
残念だったな。肩を叩く秀吉先輩に、家康はちぇっ、と軽く舌打ち。
こうして、
私達の部活見学は終わった。
帰り道___
今日は店の手伝いがあるからと、先に帰った政宗。私は家康と二人で寄り道しながら、帰ることに。
「ちょっとしたお花見だね!」
通学路の途中にあるお団子屋さんで花見団子を買い、私達は公園のベンチに座りながら、散り始めた桜の木を名残惜しいそうに見上げる。地面に向かって落ちてゆく桜の淡い花弁。ささやかな風が吹き、空中へふわりと舞い上がった。
(綺麗……)
「……ってか、三本て。どんだけ食べるのひまり」
「ど、どうせ私は花より団子ですよーだ!」
家康に嫌味を言われる前に先に自分で言っておく。ピンク色、白色、緑色の三色団子を次々と頬張り……口を動かす。
「ねぇ、もぐもぐ…家康は、なぁに色が……す、き?」
「あのね、食べるか喋るかどっちかにしたら?」
何色でも味一緒だし。
私が微妙に違うんだからと力説していると、公園の入口に秀吉先輩が通りがかる。