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イケメン戦国〜天邪鬼な君へ〜

第167章 はじまりの物語




私はご機嫌で街を歩く。


「参拝したし、素敵な喫茶店は見つけたし、志望校の見学も出来たし!今日は最高の一日だったね!」


家康と駅に向かいながら、私は今日の一日を振り返る。

素敵な人にも沢山出会えたし。
高校生活が今から待ち遠しくなる。


「浮かれる暇あったら、勉強」

「やる気出たから大丈夫!教えてくれるんだよね?」

「条件付きでね」

「条件?……って、どんな?」

「それは……後で言う」


気になるから今、言ってよ!と、頼んで家康は後からの一点張り。意地悪な家康の条件は、私にとってちょっとした恐怖だった。


「せんぱーい!」


ホームで電車を待って居ると、私たちの方に向かって走ってくる一人の男の子。


「こんにちは!」

「三成くん!」


今日も絶好調の天使スマイルを浮かべた一学年下の後輩、三成くん。私はその笑顔に癒され思わず抱きつく。


「今日も可愛い〜」

「ひまりせ、先輩///あ、あのっ///」


真っ赤な顔でおろおろする三成くん。きゅーん♡と、胸がくすぐったくなるぐらい、小動物みたいで本当に可愛い。


「勘違いするなよ、三成。ひまりが抱きつくのは男だって意識してない証拠だから」

「勘違い?何をですか?もしかして家康先輩は抱き着かれた事がないのですか?」

「あれ?何で二人とも見つめ合ってるの?」


(いつの間に仲良くなったんだろう?)


グイッ!


家康は強引に私の腕を引っ張り、三成くんから引き剥がすと、ホーム線より一歩後ろに下がった。


「電車来たから乗るよ。帰ったら、俺の部屋来るんでしょ?」

「そうだった!……三成くんまたねっ!」

「………はい、お気をつけて」


家康が俺の部屋の部分だけ強調した理由も、三成くんの笑顔が一瞬消えた理由も私は解らないまま電車に乗り込んだ。




『石田三成』




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