第166章 天邪鬼な君へ〜集大成〜
「あそこは大分盛り上がってるみたいだね」
佐助は視線を動かし、揉めている三人の男を見る。
「もう!まだ、やって……あれ?でも時姫が居ない??」
「時姫なら、さっき三成様の所に向かって歩いておった!」
竹千代の言葉を聞き、「ちょっと見てくるね!」ひまりは取り敢えず揉めている三人の所に向かう。今にも取っ組み合いの喧嘩が始まりそうな間に入り、両手を広げ頬を膨らませた。
「折角の花見なんだから仲良くして下さい!それに時姫、三成君とどっかに行っちゃったよ?」
「何っ!!?」
三人は首を動かし辺りを見回す。
「ま、まさかあの石碑の前に居るのって?」
家康の指差した方を一斉に見ると……
「時姫様、今日はお誕生日ですね。何か贈り物させて下さい。欲しい物はありますか……?」
そこには、
時姫を膝に乗せた三成の姿。
「み、ちゅなり!ちゅう♡」
「へっ?///ちゅう?ですか!?そ、それはっ///ちゅうちゅうタコかいなのちゅうですか!?///」
(((あの野郎っ!!!)))
三人の男は照れながらあたふためく三成に、一気に殺気立ち一目散に向かうが……間に合わなかった。
「ふふっ。時姫のファーストキスの相手は三成君みたいだね♡」
『「くそ、野郎〜〜〜〜」』
ひまりが微笑ましく見守る中、三人はじりじりと三成に歩み寄り……負のオーラを全開に。
「い、今の時姫様からで///……ぽっ///」
「何がぽっ、だっ!!」
『「覚悟しろっ!!!」』
三人はすっかり同盟を組み、三成をどう料理をしようか肩を並べ話し合った。
そんな中、その様子を木の上からひっそりと見ていた二つの影……。