第159章 あなたにもう一度後日談(7)あとがき1
「時姫!!父上のとこにおいで!」
「やっ!!みちゅなり!」
「時姫〜じぃじの所に来い〜」
「やぁ〜♡みちゅな、り!」
「「三成〜〜〜〜!!!」」
「私は何も……ただずっと、いっちょと約束しただけですよ?」
「「何がいっちょだ!」」
(な、何これ……)
「ねぇ、竹千代?何があったの?」
「うーん……。いつもは父上に甘えて、昨日は信長様で、今日は何故か三成様にべったりだった」
「ふふっ。よく解らないけど……でも、楽しそうだね」
「ひまりは、花を付けた信長様を見てないからな」
「あれは、かなりの衝撃だったぞ。思い出すだけでも……くっ……!」
秀吉さんは青い顔を浮かべ、光秀さんは何かを思い出して肩を震わせる。
「じじ馬鹿は本当に、予想外です」
屋根裏から現れた佐助君は物凄く疲れた顔をして、メガネが頭に乗ったままなのことも気づいていないぐらい。
(???)
「母上!昨日は射的で景品いっぱい当てて……それで……あとは」
「うん!……それで?……うん、うん……」
私は竹千代から沢山話を聞きながら、時姫を囲む三人のやり取りを見て、ふと思う。
(時姫の十年後は、一体どんな感じになるのかな?)
今から、それが楽しみだった。
「貴様、一体どんな汚い手を……」
「三成、覚悟は出来てるよな?」
「お二人共、そんな怖い顔されては時姫様が泣いてしまいますよ?」
「うっ……っ」
「「!!!」」
泣き出しそうな時姫を見て、私は思わず手を広げる。
「時姫〜。お土産買ってきたから一緒にみようか?」
「あ、いっ!」
(あれ?何処に行ったのかな?)
時姫と竹千代を膝の上に乗せ、お土産を渡している内に……三人の姿はいつの間にか消えていた。