第159章 あなたにもう一度後日談(7)あとがき1
ロマンチックな演出があった数分後。
凄い勢いで駆け出した馬。
さっきまでの甘い雰囲気は何処に……?
「時姫〜〜!!!」
「ちょ、ちょっと家康!落ち着いてっ!!」
「ひまり、さっきの佐助の報告聞いてなかったの!?」
「き、聞いたけどっ!!」
何で、こうなるのか解らない。ただ、一日目は二人を信長様が見てくれて、浪人から守ってくれたと聞いた。そして今日は三成君が時姫のお世話をしてくれて、仲良くずっと手を繋いでるって教えてくれて……気づいたらこんな事態になっていた。
「あいつには、触らせたくない!!絶対無理!!」
家康の表情。それがもう、怒ってるのか泣きそうなのか、よく解らない。
私は苦笑いを浮かべながら、しっかりと自分の背中に回された腕だけでは不安になり、家康の背中に必死にしがみ付いた。