第158章 あなたにもう一度後日談(7)二日目の昼
ココから少し離れた森の中。そこに赤い砦が立ち並ぶ場所があるみたい。その砦には二つの入り口あるから、そこに二人別々で入り、赤い砦を潜りながら思い出を振り返り進むと………「円満の石」が二人を結びつける。そんな素敵な迷信があるらしい。
私達は早速向かった。
長い石の階段を登ると、森の中に向かって立ち並ぶ赤い砦が見えた。私達は真ん中に建っている案内板を見て、左側が男性の入り口で右側が女性の入り口だと知る。
「何か、意味があるのかな?」
「まぁ、基本男は左上座って言われてるからね。雛人形の並びだって、一応そうなってるし」
「あっ!そっか!」
自分から見ると反対になるからややこしいけど、雛人形はお内裏様が向かって右で。お雛様が向かって左になってる。
「まぁ、一概にも必ずとは言えないけどね」
「やっぱり、家康は物知りだね!」
「……どうせならもっと、違うことで褒めてくれる?」
「今度ね!ほら、早くっ!」
私達は別々の入り口の前に立つ。
「ねぇっ、家康!?この道同じ場所に繋がってるよね!?」
離れている為、私は家康に向かって声を大きく張り上げ問いかけた。先が見えないぐらい立ち並ぶ砦に、少し不安になってしまう。
「俺達なら大丈夫。行くよ!」
(俺達なら??)
どうゆう意味だろう??
家康の言葉の意味を考える暇もなく、私は自分より背より遥かに高い砦を見げ、気合いを入れる。
「『せーのっ!!』」
そして掛け声をかけながら、同時に一歩足を踏み出した。