第153章 あなたにもう一度後日談(5)一日目の夜 後編※R18
はい?
はいっ!?
《ドンッ!》
俺はその姿を見て思わずその場で腰を抜かし、襖に思いっきり背中をぶつけた。
「なっ、なっ、何でっ///」
頬を赤く染め、視線を横に流したひまりに釘付けになる。
ーー彼女、芸者になったら間違いなく都一番の売れっ子になりますよ。
風太の言葉を思い出す。ってか、芸者とゆうよりもはや遊女に近い気が……。
「だ、だって///風太君がお、お座敷遊びはお、男の夢だからって///家康もきっと喜ぶからって言われて///」
話を聞けば、風太は女将から化粧道具一式と着物を借り、迷惑を掛けたお詫びにとひまりを着飾ったらしい。
「やっぱりこんな格好、私には似合わないかな?」
その言葉に凄い勢いで首を横に振る。するとひまりは目尻に朱をさした目元を、時間を掛けてゆっくりと俺に向け……首を傾げた。
「変じゃない?」
コクコクと俺は頷く。
「ちょ、ちょっとは色っぽくなった?///」
着物の襟元からちらりと覗く胸の谷間。それをを見て、更に何度も俺は頷く。
(ちょっと、どころじゃないし///)
さっき風太がしてた格好と同じとは思えないぐらい……色っぽい。
(た、堪んないだけどっ///)
今すぐ襲いたい。けれど、心臓が持ちそうになくて、まともに直視できないのが本音。
「ま、まずはお酌するからこっち来てくれる?///」
今だに動こうとしない俺に、ひまりは近づき……そっと俺の手に触れた。
「ひまり。無理。俺、無理っ!こんな幸せ!他に知らないからっ!///」
「もうっ///大袈裟だよ///とりあえず、一緒にご飯を食べよう?」
「花代払う!ありったけ払うから!!」
「い、いらないから!かわりに……家康におもてなしさせて?」
そんな台詞で可愛く見つめられたら、はい。俺、撃沈。