第150章 あなたにもう一度後日談(5)一日目の朝
鏡の前でお化粧をしてから髪を横に編み込むように一つで結い、家康から貰った花飾りを付ける。
仕上げに信長様から貰った紅を指で掬い、薄めに塗って完了!
(でも、何でわざわざ野原で待ち合わせなのかな?)
さっき、家臣さんから家康からの伝言を聞いた。
ーーいつもの場所で待っているから、と。
すぐに思い浮かんだのは、私達にとって一番大切な場所。
(今朝、不思議な夢も見たし……)
野原で指切りする小さな二人。
起きた時はもう少し憶えていた気がするんだけど、バタバタと準備して居る間にすっかり内容を忘れてしまった。
(でも、凄く切なくて……幸せな夢だった気がする)
私はそんな事を考えながら、急いで野原に向かう。