第148章 あなたにもう一度後日談(4)後編
祭りは盛大に行われ、夜毎に人通りは激しさを増す。二人の要望を順に聞き入れ、行動を共にする。この至福の時は俺に色々なものを届けおった。
「信長様!次は型抜きしたい!」
「では、参ろう。折角だ、俺と勝負するか?」
竹千代と真剣に型抜きし、まるて童心に返ったような楽しさ。
「じじ、あめたんっ!」
「そうか、そうかぁ〜。時姫はあめたんが良いのか?……あの店ごと買い取ってやるから待っておれ」
飴屋の亭主に惜しげも無く、大金を積み……時姫と笑い合う。二人と手を繋ぎ、歩き、いつもはただ煩いと感じることしかなかった威勢の良い数々の声は、賑やかしいとさえ感じるほどに気分は浮き立っていた。木枯らしが吹き付ける冬だというのに……俺は少しも肌寒さを感じる暇もない程、温かい冬の夜を二人と過ごす。
「お館様、おかえ……!!い、如何なさったのですか!そ、その頭は!?」
「時姫が飴を買った礼に付けてくれてな……のぉ、時姫♡」
「じじ、かわいっ♡」
秀吉は俺の頭に付いた花飾りを指差し、この世が終わるように青い顔を浮かべ……光秀は口を手で覆い大きく肩を揺らし、俺に背中を向けた。