• テキストサイズ

イケメン戦国〜天邪鬼な君へ〜

第91章 あなたにもう一度(7)




暫く泣き続けた後、私はふと思い出しこの倉庫にある嫁入り道具箱の一つから、仕舞い込んだ物を取り出す。


この世界に戻る時に、向こうの世界で作った衣装……まるで天女が着ているような、衣の羽織。


(……これを纏い、時の世界を飛び越えた)


私はそれをぎゅっと胸に抱く。そして懐から櫛を取り出し、永遠の愛を約束した日の事を思い出す。



(行かなきゃ……)



自分の気持ちを取り戻しに。
家康の気持ちを見失わないように。

私はそう決心。そして、朝が来るのを冷たい床の上でひたすら待った。







カチャッ……キキッー……。





朝日が微かに倉庫の中に入り込み、
私は鍵を開け扉をゆっくり押す。



(あれ……?さっき何か落ちたような……)



扉を開けた瞬間。何か白い物がひらひらと舞い、床に落ちるのが見えた。そして首を左右に振り、家康の姿がない事を確認すると私はそれを拾い上げる。





/ 636ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp