第82章 〜同じ気持ち〜姫主視点
「……こいつが具合悪いのは、どう考えても、お前らのせいだろ!!」
「皆さんが、ひまりさんを心配する気持ちは解りますが……過保護すぎては逆に彼女の負担になります」
幸と佐助の言葉に、皆んなが一斉に私に視線を向ける。
私はギュッと唇を噛み締め、正直な気持ちを話す。
「……今日、皆んなが来てくれるって聞いて……凄く楽しみにしてて」
なのに皆んなが心配ばっかりして楽しんでくれないと、私も全然楽しくない。
「皆んなの気持ちは凄く嬉しい……でも!私なら大丈夫だから!体調も気をつけるし、無理な時はちゃんとお願いするから!」
だから……
「今日はいっぱい、皆んなにおもてなしさせて!」
『「ひまり…」』
笑顔でそう言うと皆んなに伝わったのか、部屋の中に優しい空気が流れた気がした。
「ん〜〜政宗、この料理凄い美味しい!今度作り方教えてね!」
「また、近々教えに来てやる……っておい家康!お前まだ唐辛子かける癖、止めてなかったのか!!」
「ひまりの作った物にはかけませんが、政宗さんのは別」
大量に辛子を振りかける家康の手を、政宗が思いっきり叩く。
「おい三成、折角だからさっきの唄でも歌え」
「……何のお話でしょう?私、唄を歌った覚えはないのですが……?」
「光秀、三成を弄るのはやめてやれ」
「貴様ら、黙って食えないのか?」
安土組の皆んなは相変わらず。
「幸も佐助君もさっきは、ありがとう!」
「俺たちは、何も。でも、あまり無理はしないで欲しい」
「そうそう、張り切り過ぎるのも逆に良くないからなっ!」
「うんっ!!」
二人とも沢山話しをしながら、楽しい一日は過ぎていった。