第77章 約束の地へ〜おまけエピローグ2〜
(ひまりっ!!)
馬を急いで走らせ、一刻でも早くひまりが居る城へと向かう。
(何とか夜になる前には、辿り着きたい)
ひまりのお産の時期に合わせ、体調の良い時に新居から俺の生まれた龍城へと移住したとはいえ、安土城からだと結構時間がかかる。
(く、そっ!こんな日に限って……)
後ろから秀吉さん達も追ってくる中、隣には何故か競うように馬を走らせる信長様が居た。
いつもなら悪態の一言でも言いたいところだが、俺の頭にはひまりのことでいっぱいだ。ただひたすら口を閉ざし馬を走らせる。
夜にもかかわらず武将が揃いも揃って馬で駆け抜ける姿を見て、町の住人が何事かと外に飛び出す。そんな姿を横目に見ながら、やっと辿り着いた城の門を勢い良く潜り抜けた。