第72章 約束の地へ 後日談(10)
「いいのか?本当に処分して?」
「だって約500年先の未来の物がこの時代から発見されたら、それこそ歴史が大きく変わっちゃうよ!
(また強制的に戻されるのは、絶対に嫌だし……)
私は政宗にそう言いながら、皆んなが集まった広間で鞄の中の物を取り出していると……
ふと、ある物が無いことに気づく。
「あれ?確か写真も入れたはずなんだけど……?」
一人旅に出る前にやっと現像したからって、友達が持ってきてくれて……
(確かそのまま、鞄に入れっぱなしにしてた気がするんだけど……)
もう一度確認してみるけど、やっぱり写真だけがない。
気のせいだったかな?と、私が呟くと隣に居た家康が何故か視線を勢い良く、横に逸らした。
「……??」
思わず首を傾げると、三成君以外の皆んなの様子がどこか可笑しい。
政宗と秀吉さんは俯いて肩を震わせてるし、信長様と光秀さんはニヤニヤ笑ってるし……幸と佐助君はじっーと家康の事を見ている。
「………?ねぇ、家康?もしかして私が居ない間に何かあったの?」
「……さぁね」
急に余所余所しくなった家康の態度に違和感を感じて、羽織を掴もうと腕を伸ばした時……
突然、携帯の着信音が鳴った。