第69章 約束の地へ 後日談(7)※R15
ひまりは可愛くて、美人ですぐ男を虜にするから気をつけて。
「……って、毎日言ったら自覚してくれる?」
(えっ………///)
そう言った後の家康の目元が、少しだけ赤い気がして……その表情と拗ねた子供のような声に、思わずドキッとして、顔が一瞬で熱を上げる。
「そ、そんなの家康が贔屓目で見てるだけでっ///……そ、それに毎日そんな事言われたら」
心臓なんか、すぐ壊れちゃうよ!
そう私が言った瞬間。ずっとお預けされていた唇がやっと重なる。
「んっ……」
ずっとキスして欲しかったのに、家康の甘い拷問はそれを許してくれなくて……やっと貰えた甘い熱に、私は家康の首元に腕を絡ませる。
ときおり角度を変えながら、何度も降り注ぐ激しい口付けに頭の芯が、ぼっーとしてきて……
「……いえや…す」
何かをねだるように私は名前を呼ぶ。
すると、家康は珍しく私の頬にかかる髪を両方の耳にかけ、指先で耳飾りを揺らす。
シャランッ……。
「……仕方ないから、許してあげる」
俺が我慢出来ないから。
耳飾りが揺れる音と家康の甘い声が、私の耳元でくすぐるように届く。
身体が一気に火照り……。
「ひまり」
《ガタッ》
家康は私の名前を呼び、勢い良く倒れた文机に目もくれず……羽織を脱ぎ捨てた。