第69章 約束の地へ 後日談(7)※R15
「……まだ、お腹小さい」
肌を重ねた後、私のお腹に優しく触れながら家康は呟く。
「今、四ヶ月だから……あっという間に大きくなるよっ!」
男の子かな?女の子かな?
と、私が言うと家康は優しく微笑んで……。
「ひまりに、似てたら俺はどっちでも嬉しいけどね」
「ふふっ、私は何となく家康に似てる男の子の気がするけど」
「……それだけは勘弁して欲しい」
「どうして?絶対可愛いよっ!」
「俺に似てたら……親子でひまりの取り合いになるから駄目」
私はその言葉を聞いて、思わず吹き出す。すると家康はハッとしたように目を開き、お腹に触れていた手で今度は私の顔を包む。
「ひまり似の女の子も、やっぱ駄目」
お嫁に行かせたくないから。
そう言いながら、真剣な表情を浮かべる家康を見て、私はさっきよりも大きな声で笑った。
心の中で
やっぱり
家康に似た男の子が良いなぁ
って、思ったことは……
内緒にしておこうかな?