第45章 捕らわれた未来(18)
「……この世界…時を超えて、……一体ひまりはどこから来たんだっ!!」
俺は佐助の肩にしがみ付き、声を上げる。
「……今から全てを話します。彼女が遠くに行っていたら、時間が余りありません。手短にはなりますが、聞いて下さい」
その場に居た全員が佐助の話を聞いて暫くの間、何も言うことが出来なかった。
(まさか……そんなことが……)
全ての話を聞き終わり、佐助が朝までにひまりの居場所を割り出し後、俺たちは急いで馬を走らせる。
(ここからだと、辿り着くのは夜になる)
佐助が予測した時刻。それまでにひまりを見つけ出さなければならない。
ーー俺の計算が正しければ……今夜、ひまりさんは、元の……約500年後の未来に強制的に戻されます。
(今、思えばひまりの言動や行動は何処か変わっていた)
戦で溢れているこの時代に、危なっかしくて、馬鹿みたいに真っ直ぐで……
なのに俺はあの夜……
話も聞かず。
向き合うのを拒み。
真実を知るのを恐れ……
ひまりを傷つけた。
ーー私が好きなのは家康だけだよっ!
真っ直ぐな瞳から逃げて。
ーーちゃんと私の話を聞いてよっ!
伸ばされた手を、俺は振り払った。
ーーいってらっしゃい!
どんな気持ちで俺を見送って……
どんな気持ちで姿を消したのか……
考えるだけで、息ができなくなる。