第45章 捕らわれた未来(18)
夜になり、逃げた顕如の行方を探す為一旦戻ろうとした俺達の元に、三成が血相を変えて駆け込んで来る。
「ひまり様が…っ!姿を消してしまい、捜索をしたのですが何処にも見当たらずっ!」
三成は馬から降り、
震える手で俺に文を差し出す。
「耳飾りと一緒にこれが……」
俺はすぐさま文を受け取り、綴られた字を見て急いで佐助の元へ向かう。
「これを読んで欲しい」
本当は頼りたくなかった。けど、今はそんな事言っている場合じゃない。俺には読めなかった。故郷が同じ佐助なら読めると思った俺は、文を渡す。
「………っ!」
明らかに同様したように、佐助は俺を見る。
「……これは家康公、あなたに宛てた文です」
そう言って、佐助は声を出し読み始めた。