第41章 捕らわれた未来(14)
二人の刀が交じり合い、金属音が静かな地下に響く。目が追いつけない程のスピードで、何度も刃が交じりぶつかり合う。
(もしあの刃があたったら……)
考えるだけでも、背筋が凍る。
「なかなかやるな……しかし、それでは俺は倒せないぞ」
「………っ!」
謙信の刃の先が家康の髪を掠める。
家康は咄嗟に身を引き、後ろに下がり刀を握り直す。
その額には、汗が滲み出ていて……
「病み上がりを言い訳にするか?」
「……悪いけど、あんた程度の相手なら病んでても倒せるから」
家康はそう言って、再び刀を振りかざし謙信に立ち向かう。家康にとってこの戦いの負担は大きい。
(……きっと、意識が戻ってすぐに駆けつけてくれたんだ)
私は胸の前で手を組み、目を逸らさず二人の戦いを見つめる。
(信じてる……)
カキーンッ!!!!
思わず耳を塞ぎたくなるほど、
激しい音が耳の鼓膜にまで届く。
どちらも一歩も引かず押し合う中、力強い刃のぶつかり合いに、一瞬足もとのバランスが崩れる家康。
その隙を逃さず謙信は刀を上に振り上げ……
「悪いが、ひまりは頂くっ!!!」
「家康っ!!!!!!」
家康は、誰よりも強いって……
私は信じてるから。
滑らかな速さで刃が
シュッ!!
身体を裂く音。
「……っ!……くっ……」
カシャン………
「……渡せない」
あんただろうが、
例え、相手が誰でも
ひまりは絶対に
「渡さない」