• テキストサイズ

イケメン戦国〜天邪鬼な君へ〜

第40章 捕らわれた未来(13)




城の警備の奴らが騒ぐ前に忍び寄り、切り倒していく。


「おまっ……くっぁ……」


慎重に足を進めながら、死なないように急所を外す。


(ひまりっ!)


迷路のような抜け道を走りながら、聞いた曲がり角を曲がり先へ急ぐ。すると少し離れた場所から、悲鳴のような叫び声が微かに聞こえ、足音を消しながら走る速度を上げる。



ーー当主、自らひまりの番に?

ーー……謙信様、自分では気づいてはいませんが、どうやらひまりさんに惹かれて始めているようで。その証拠に仕事の合間を見ては、彼女の元に足を運んでいるみたいです。


佐助の言葉を聞いて、嫌な予感が一気に押し寄せた。女嫌いの上杉だから、その辺の心配はないと……何処かで甘い考えを俺はしていた。よくよく考えたらひまりに惹かれない男なんて居るはずがない。



(もし指一本でも触れたら、死ぬより酷い目合わせてやる)



「ぐっ!………」



(こいつで最後だな)



地下に足を踏み入れた瞬間。







「いやぁぁぁ!家康っ!家康っ!!」






ひまりが泣き叫びながら、






俺の名前を呼ぶ声が聞こえ、







視界に上杉に組み敷かれ






必死に抵抗をする姿が







見えた。







「私に触れていいのはっ!!……家康だけなんだからっっっ!!!!」







震えた手で護身刀を持ち








乱れた着物から








白い肩が覗く。






俺は柵の隙間に手を入れ







そっと引き寄せた。







カシャンッ!






「ひまり」




/ 636ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp