第4章 贈り物
「……文とは何の話ですか?」
「あぁ、三成は知らないのか。ひまりが勘違いして……」
「政宗っ!もうその話はいいからっ///そ、それより三成君もやっぱり沢山文を、貰ったりするの?」
私は慌てて政宗の話を遮ると、少しだけ話題を変えて聞いてみる。
「……そうですね、貰う事もありますが、私の場合書くほうの方が多いです。この前も、軍事の事で結構な量を……」
「えっ?軍事?……」
「はい。話すより文の方が後で見直せて効率がいいと思いまして……この前も……」
独り言のようにブツブツ話し出す、三成君を見て、政宗は大きな息を吐いた。
「……ひまり、三成の頭ん中に恋文なんてーのは、ないみたいだぜ」
「ふふっ。……みたいだね」
私達の会話にはてなマークを浮かべ、キョトンとする三成君に、私と政宗は顔を見合わせ、同時に笑い出した。
台所から笑い声が響く。
私はそっと、風呂敷を抱き締めながら、文句を言いながらも食べてくれる、優しい家康を思い浮かべていた。