第6章 継続は力なり
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翌日、
皆はいつも通りに起き、いつも通りに朝食を取り、いつも通りに戦の準備をした。
高杉はその間も、銀時たち3人が話しているとき浮かない顔をずっとしていた。
出陣前
鬼兵隊は、門の前で待機していた。今日の出陣は辰馬率いる軍よりも後である。
そして、今日雅は鬼兵隊に配置される。今は、雅が来るのを待ってるところだ。
「雅先輩今日来るのかー」
「あの人がいれば、俺たちもモチベ上がるしな」
「それ。無口で一見怖そうだけどさ、そこに惹かれるというかな」
「あ~分かる分かる」
隊の者たちは待機中、井戸端会議をしていた。
「でもさ、あんな小さくて顔は怖いけど普通に綺麗な人だよな。本人に言ったらヤバいけど…」
「見た目とのギャップすげーよな。早く来ないかな」
「あの人に手当されるの。俺すごく楽しみだし…」
「おい」
『!』
高杉が低い声で、志士たちに呼び掛けた。
「いつでも出陣できるよう、準備は万全にしておけ。今は雑談の時間じゃねーぞ」
いつもよりもある気迫と形相に、志士たちはビビった。
「す、すいません!」
高杉は雅が来るのをじっと待った。
「なぁ、総督なんか…」
「いつもより、険しい表情みたいな…」
「何かあったのか?」
志士たちは、高杉の様子がいつもと違うことに気付いた。
高杉は腕を組み木に寄りかかり、悩むような表情を浮かべていた。
高杉は昨夜からずっと悩んでいた。雅のことで、苦悩していた。
“アンタのこと嫌いじゃないよ”
“意外と桜が似合うね”
(……)
アイツの本音みてーな言葉、らしくもなく笑ったツラが今でも頭の中にはっきりある。
今の会話を聞いて、無性に苛立ったのはあの時と同じだ。
“いや、誤解です。確かに雅さんは優美で素敵な女性ですが、僕はそういう意味では…”
あれも今も、雅のことを思った上での配慮だ
そーいうの嫌いだからな、アイツ。
そういえば、俺がアイツのことを苦手じゃなくなったのも雅と試合したとき、アイツの何気ない笑ったツラを見てからだ。
あれから俺はアイツと何度も試合をした。
そういや…
アイツと最後に試合したの
いつだったっけな?