第17章 劇場版銀魂 THE FINAL、がんばってください
『君想ふ夜桜』で、主人公の回想にボチボチ出ている謎の師匠。その名も“華岡愁青(はなおかしゅうせい)”。
その元は、江戸時代の外科医で、世界初麻酔の開発に成功した名医“華岡青洲(はなおかせいしゅう)”である。
当時では、痛みを消すなんて夢のような薬だと、麻酔薬は実現不可能とまで言われていた。
しかし青洲はあらゆる手を尽くし、絶対に不可能とされた全身麻酔薬を完成させた。
その成功の裏には、妻と実母の犠牲があったとされる。
自ら人体実験になることを決めて、華岡青洲の麻酔薬が人間に通用することを証明したのだ。
彼女らの犠牲があったことで、青洲は完璧な万能薬を作り上げた。
そして治療不可能の不治の病とされていた乳ガンを、独自に作り上げた麻酔を使うことで手術に成功した。
その患者の1人が、藍屋勘という藍屋で働く女性である。
青洲が作り上げたその麻酔薬の名は、“通仙散”(つうせんさん)。
まんだらけ(チョウセンアサガオ)やトリカブトなどの猛毒を材料にして作った。
ここらへんは夢小説でも同じように参考している。
その後、その功績は当時の日本中で噂になり、多くの医術を志す教え子ができ、大きな塾を開いた。
彼は、世界にも通用するほどの大偉人である。
この小説では、主人公に医術の道を教え、世間に未だに知られてない麻酔の製造方法を教えた人物として取り上げられている。
主人公とは、第二次攘夷戦争から10年前に別れたとされているが、その安否は未だに分からない。
「いや~華岡愁青ってたまに出ますけど、モチーフになる人がいたんですね」
「ま、作者は銀魂好きだから、歴史上の人物がいた方が良かったんだな。でも、現代と昔じゃ、イケメンがそうじゃないかって見分けつかねェよな。アニメとかでは美化されてるけどよォ」
「誰がブスだって?だったら直接確かめてみるか?」
ガラッ
『!』
誰かが万事屋の玄関から中へ入ってきた。
それは黒いコートを着た黒髪の男だった。医者だから帯刀を許されている。
「やァ。アンタが“白夜叉”坂田銀時か」
「お、お前は…!!」
銀時はその顔を見て、思わず腰を抜かすほど驚いた。
その男は……
「雅が、
・・・・・・
うちの弟子が世話になったようだな」
男はニッと笑いかけた。