第14章 少女よ、大志を抱け
現在
「__とまあ色々あってだな、高杉と銀時とは別で、俺は雅の初執刀をこの目で見たのだ。本当に見事な物だった」
ちょいグロテスクな話しを、ウナギを食べながら話す桂。
4人は遊郭帰りで、お昼を鰻屋で食べていた。
夏の暑さに窓から流れる風。こういう日は余計にウナギが食べたくなる。
テーブル席で、桂と高杉、銀時と坂本の向かい合わせだ。
髪の毛の質で席を選別した。
喧嘩っ早い銀時と高杉は、席が斜めになるようにした。
「おい。その話はまたあとでにしてくんね?せっかくのウナギくんが美味しくいただけねーから。食べ物は美味しく頂かねェと、逆にこっちが十万ボルトどころかボルテッカー食らうぜ」
銀時はウナギのタレを鰻丼にドバァーとかけて、さらに甘いご飯にした。
「コラ銀時。雅に甘いのは控えろと言われていたはずだろ。そんなにまたかけて。そんな風に食べ物を台無しにしたら、それこそボルテッカー行きだぞ。いや、エレキボールかもしれんな。いや、それ以上に雷様が落ちてくるやもしれん」
銀時は前雅に、冷や奴に醤油をかけすぎだと注意されたことを思い出した。
「……何か、お前に言われるとお母さんみてーだが、“アイツ”に言われると姉ちゃんみてーだな」
銀時はふとそんなことを言い出した。
「何じゃ?お母さんは電気タイプ共通なのか?」
「そこじゃねーよ。てめーは電気食らっても元々そんな頭だから困らねーよなァ」
「いやそれ言ったらおまんもそうじゃき」
銀時と坂本は元祖モサモサヘアーだ。
「で、ちなみにアナタが思う雅は何のタイプぜよ?癒やしをくれるフェアリータイプですか?それとも、相手を凍らせるほど冷静な氷タイプですか?」
「何、「アナタが落としたのは金の矛ですか?それとも銀の矛ですか?」みたいなノリで言ってんの?しかも雅のタイプは、確か理系出身升アナのような…」
「嘘つけ。そんな話聞いたことねェよ。しかもそっちのタイプじゃねェよ。あと“升”アナじゃなくて“桝”アナだろ」
高杉は自分の鰻丼に山椒を掛けながら、銀時をツッコんだ。