• テキストサイズ

君想ふ夜桜《銀魂》

第3章 賞味期限切れにはご注意



((!!))

泣いてるところを見られ、雅は素早く俺に背を向けた。

「お…前…?」

「何で、こんな所にいるの…?」

顔も合わさず、いつもの愛想ない言葉をぶつけてきた。

「それァ…こっちのセリフだ。お前…」

とにかく俺は、普通に接して普通に聞こうとした
“何故泣いてる?”と

その一言を言えばいいものの、口が開かなかった。アイツが…

雅は一息ついてから、何事もないように振る舞った。

「目に…花粉症が入っただけだから」

「は?」
(どんな言い訳だ…!花粉症は“入る”ものなのか?)

明らかにいつもと違ェ。いつもなら冷静な上に、感情もあまり表に出さない

涙なんか……いや


「そろそろ…部屋に戻らなければ…」

雅はそれだけ言って立ち去ろうとしたが、俺はソイツの腕を掴んで止めた。

「…何」
「待て。話は終わってねェよ」

腕を引き寄せて顔を見ると、その目にはまだ涙が浮かんでた

「やっぱり泣いてたんじゃねェか」
「……」

雅は俺から目を反らした

そうして下に俯いてるのは、泣いた顔を見られたくないからかもしれねーが…

何より、掴んでいる腕が、若干震えていた

「寒いのか?」

雅は袖で自分の涙を拭き取って、首を横に振った

「いや…本当に何でもない…」

本人がそうは言っても、俺からしたら何かあったにしか見えねェよ

いや、そもそも俺がここに来たのは…

「行くな。てめーに用があって来たんだ」

「今じゃないとダメなもの…?」

俺は黒子野の菓子を渡して、事情を話した

「…そう。ありがたく貰う」

用件は無事に済んでしまい、これ以上ここにいるべき理由がなくなってしまった

(このまま別れるのは…後で気まずくならァ…取りあえず何か話すか…)

俺は何とか、何故か憂鬱な気分のコイツに何とか話を持ち込んだ

「てめー甘いもの苦手じゃないのか?」

「…せっかく貰ったから食べる」

シーン

しかし、また沈黙になる

泣いてる奴を慰めるなんて、何て言えばいいんだ?
特にコイツは分からねェ

(俺にどうしろってんだ?)

すると、雅は一旦冷静に考えてから俺に言った



































「一緒に食べる?」

/ 610ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp