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東京恋物語

第1章 プロローグ



「綾乃は最近彼とはうまく行っているの?」
洋子は綾乃に耳を傾け聞いた。
「まあまあって所かしらね。」
あっさり答える綾乃に洋子は目を輝かせていた。
「いいなあ。私なんてそんな人いないし。」
「これから見つけて行けばいいじゃない。」
「職場だといないしねえ。」
先輩の山下さん?いや違うな。職場での恋愛なんて洋子にはあり得なかった。
「綾乃みたいに文通ができればいいけどね。」
「あー前に付き合っていたフランス人の方ね。でも海外の方だと遠距離恋愛も大変よ。せめて国内にしたら?」
綾乃は的確なアドバイスをくれる洋子のよき職場の同僚で友達なのだ。
「でももし返事が返ってこなかったら?」
「洋子ってば考え好きだって。」
暫くして食事が届き食べながら談笑した。
「それに洋子だってまだ若いんだから焦らなくても出会いはきっとあるわよ。」
「そうかなぁ。」
お会計を済ませてお店を出た後も洋子は綾乃の言った言葉について考えていた。
「それじゃぁ、明日会社で会いましょうね。」
「うん、ありがとう。また明日ね。」
2人はそう言って別れ帰路に着いた。
「明日もいい事きっとあるよね。」
アパートのドアの鍵を開けて中に入る。
パチンッと玄関の明かりをつけて廊下を歩く。
「今日はご飯食べてきたからゆっくりテレビでもみようっと。」
居間の電気をつけてテレビをつけるとちょうどプロレスの中継が始まっていた。
「この人って有名な選手じゃないですか。」
洋子は小さなソファーに座ってテレビに釘付けとなった。
こうしてこの日は過ぎて行った。
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