第1章 繋
そして来たのはライブハウスから少し離れたバー。あれ、出待ちって…。
「ねぇ、出待ちって…」
「今日はね、フジオロックの打ち上げに参加するんだよ」
「え…でもフジオロック打ち上げってグッズ購入額の上位者からの抽選って…え、もしかして」
「せーかいっ♡ 本当に運もお金も使い果たしたって感じ」
「!?!?」
フジオロックはワンマン限定で裏イベントがあるって噂だったけど…
「本当だったんだ。」
バーで待つこと5分、6人組の異様な集団… し、私服…!!
「あ、メンバー来たよ!
6人ともお疲れ様です~!
ほらほらちゃんもっ」
「え、あ、あ…お、お疲れ様です!!」
「あっ 機材の片付け手間取っちゃったんだぁ~ 待たせちゃってごめんね」
「あは~君たちが今日のお客さん~?
よろしくね!!!」
TODOクン JUICYクン可愛いっ…!!
「フッ…レディを待たせてしまうとは…
『架羅お前今日もよく喋るな』」
「ほら2人ともちゃんと挨拶してよ。
ごめんね うちのクソギターが…」
か、架羅様 壱クン JADEクン…
架羅様はなんかステージと変わらないなぁ
JADEクンもしっかりしてる感じ変わってないし、壱クンは ステージと違って私服緩め。
「2人が今日のトップ金づる??
やーたくさん買ってくれてありがとね~」
「いいえ~」
「って君もしかして少し前にもトップ金づるになった子?
うわぁ 金持ちなのにいいのー?こんなクズバンドにつぎ込むなんて物好きだねぇ」
「いやー金づるとして当然!
今日もライブ熱かったね~」
「だろ?? やっぱカリレジェ様のいるバンドだからなっ」
「OSOサン…」
あ。ちなみに『金づる』とは悪口じゃなく フジオロックファンの名称のこと、クズさを全面的に推しだしてる珍しいバンドだよなぁ。
「レディは初めてだよな、こんな綺麗なレディを忘れるはずがない。」
「え!?あ、そうです! この子の同伴で… 」
「そうなの!この子 新規金づる様みたいだからさ、もっと知って欲しくて連れてきちゃった」
「うわぁっ! そうなの?
俺ねっドラムのJUICYって言うんだ
よろしくねっ」
「まって兄さん、ここ外だし中でゆっくりはなそっ?」