第1章 繋
「それ、大事にしてね?
お兄ちゃんの大事なものだからさっ 」
周りから聞こえる悲鳴
手に感じる信じられない感触
「!!
やばいじゃん!! OSOのネックレス!!
大収穫じゃん!!」
「どうしよう 上条…
こんなっ…私に勿体ないよ…」
「そんなこと言っちゃダメ!!
OSOがこんなサービス滅多にないんだから有難く貰っときなって!!
初参戦で勝利品とかいいスタートだよっ」
「う、うん…!!」
その後何曲か披露し『フジオロック』の出番は終わった。
「、ちょっと休憩しよっか。」
「上条はいいの…?」
「私の推しバンドはもう終わったし、初めてだとここは辛いでしょ!後ろ少し休める所あるし行こっか~」
上条は私の高校時代の同級生、少し見た目は奇抜だけど気配りが上手な大切な友達。
「どうだった?
気に入ったバンド、あった?」
「フジオロック…」
「あっ、やっぱり!!
OSOのネックレス ゲットしちゃったもんねぇ…」
「なんか曲が始まった瞬間全身が沸騰したみたいに熱かったんだぁ、凄い、あんな熱くなったの初めてかも」
「いいねぇ、フジオロック最近凄く人気出てきてるからね!」
「そうなの?」
「そそっ、今回は対バンだから無かったけどワンマンの時とかメンバーの絡みが熱いし色々と動きも激しくなるからこれより熱いかもね!あっ、うちは断然架羅様推してる!あの痛さとか少しオチャメな所も萌えるし、なのにギタースキルは高いカッコイイと可愛いのハイブリッド!!」
「そ、そうなんだ。
架羅様って…髪の青い?」
「そう!
青いメッシュでギターの架羅。
緑の髪でバイオリン、たまにギターもやるJADE。
紫の長い髪でベースの壱。
黄色の髪でドラムえげつないJUICY。
ピンクのメッシュでキーボードのTODO、
んでの好きな赤髪ボーカルのOSOねっ!」
「ちょ、ちょっと上条!
私別にOSOサンのこと…!! 」
「んな照れなくてもいいんだよぉ??
フジオロックの時の OSOにしか目がいってなかったしっ♡」
…そんな見てたかな
本当に素敵だった。
確かにあんな色っぽい表情もいたずらっぽい表情も全部に釘付けにされた気分だった。