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此の世にいるのは【おそ松さん】

第1章 繋



バンドに惹かれたら戻れなくなるってお姉ちゃんが言ってた。


特に趣味も特技も何も無い私だったけどあの日、友達の上条に着いてきたライヴハウスで、私の全部が変わった。



『フジオロック』なんて一見バンド名?なんて思った少し見下してたのに、音が響いた瞬間に心臓を持っていかれた。



ギターの掻き鳴らす音、ベースの突き上げてくるような低音、ドラムの体を撃ち抜く重音、キーボードの軽やかな音、ヴァイオリンの撫でるような音、そして聞き包まれるボーカル。珍しい6人バンドだ。


ライヴハウスの熱気は最高潮にまでかけ上り、更に加えてボーカルの煽り。
全身の血液が沸騰するような感覚に陥って、私は初めてと思えないくらいに体と頭が動いた。



「お前らぁ!! こんなもんじゃねぇだろ!?
全力でぶつけろ!!」




「ははっ!
さっきよりは良いんじゃん?」




熱い。




熱い熱い熱い。





「お前ら…本当最っ高。
そーんないい子ちゃん達に俺からのプレゼントっ♡」




ライトに照らされたボーカルは汗を拭うと歌っている時と打って変わって色っぽい表情を見せた。
そして首元のネックレスを引きちぎると…


「えっ…!?」


私の手に綺麗に収まった。
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